海外転居する会社員デジタルノマドワーカーの社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険)はどうなる?
我が家は、デジタルノマドワーカーとして、日本で勤務中の会社で雇用を継続したままカナダに親子留学します。社会人留学とでも言うのでしょうか?
新型コロナの流行で世界中が大変な思いをしましたが、リモートワークやオンライン会議が普及したことで、働き方に大きな変化が生まれ、こういった選択ができるようになったのはとても嬉しいことです。
そんな選択をした我が家ですが、健康保険や年金は住民票を抜くことで払わなくてよくなる、というにわか知識を明確な知識にしておくべく調べた際に「国民健康保険・国民年金」と「社会保険(健康保険・厚生年金)」とは取り扱いが全く異なるということがわかったので、調査したことを記録しておきます。
結論から言うと、社会保険の場合は、介護保険料(40歳以上の方の場合のみ払っている)のみ不要になり、健康保険料も年金保険料もこれまで通り支払うことになります。(残念すぎる)
海外長期留学・移住時の「健康保険」について
健康保険には、大きく分けて2つ、「社会保険(健康保険)」と「国民健康保険」があります。
「社会保険(健康保険)」は主に企業などの適用事業所に勤める人が加入する保険で、「国民健康保険」はそれ以外の人が加入する保険です。
保険が適用される医療費であれば3割負担(など)で、あとは保険でまかなってもらえるというなくてはならない医療制度ですよね。
国民健康保険の場合は海外転居でどうなる?
国民健康保険の場合は、海外転出届の提出(住民票を抜く)をすると、国保資格がなくなります。海外転出届を出すことで、支払いの必要がなくなるので、その分を留学費用に充てられるので助かりますよね。
海外転出届の提出(住民票を抜く)をしなければ当然、保険料は必要になるので、海外転出届の提出(住民票を抜く)を出すのが最適そうです。
海外転出届の提出(住民票を抜く)すべきか、の基準は「1年以上の予定がある場合」、とされていますが、役所や担当者によって判断がまちまちのようなので、住民登録がある役所で相談してみたほうがよさそうです。
留学先で発生した医療費は国民健康保険に加入したまま渡航した場合は国内の基準に沿ってではあるものの還付されます。
海外転居届を出さずに留学に出かけて、国民健康保険に加入したままの場合は、国内の保険適用範囲に限られますが、申請をして還付をしてもらうことができます。還付を受けるには医療機関に書類を書いてもらう必要があったりと準備が必要ではあるものの、利用できるものは利用したいですよね。下記の記事にまとめていますので参考にしてみてください。
社会保険(健康保険)の場合は海外転居でどうなる?
国民健康保険と違って、社会保険の場合は、日本に居住している・していないに関わらず、適用事業所に勤めている場合は加入したままというルールがあります。
加入をやめることはできず、日本で医療をうけるわけではないのにも関わらず、保険料は払い続けなくてはいけません。
なので、海外転出届を出して日本の非居住者になろうとなるまいと、社会保険料の負担は変わらないことになります。
その代わりと言ってはなんですが、社会保険の場合も国民健康保険と同様に、海外で受診した場合に、国内の保険診療が基準とはなりますが、申請してかかった医療費を日本にいる時と同じく3割負担の7割部分を還付してもらうことができます。
協会けんぽのサイトに還付してもらうための必要な手続き等、詳しく記載がありますので、参考にしてみてください。
また、この還付は民間の海外医療保険との併用も可能なので、医療にお世話になった場合は払い損になることはないかと思います。
日本にいるときも、健康で病院に行かない人にとってはなんとなく払い損な気もしなくはないのと変わりませんよね(笑)
海外長期留学・移住時の「年金」について
海外転出届を出して、日本の非居住者になる場合、国民年金と厚生年金の取り扱いにそれぞれ違いがあります。
はらわなくて良くなるなら、留学費用に少し余裕がでて嬉しい!と思ったけど、会社員として海外留学するわたしの場合、その考えはすっとこどっこいでした。
国民年金の場合は海外転居でどうなる?
海外転出届を出すことで日本国内に住所がなくなることで、国民年金の加入資格がなくなります。
このため、年金の負担を減らして留学費用を少しでも多く確保することができます。
負担は減るけれども、年金に加入していないだなんて不安すぎる!といういう場合も安心してください。日本国籍がある場合に限られますが、任意加入することも可能です。
日本年金機構-国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)
ただ、この任意加入の場合は、保険料免除・納付猶予制度や学生免除の申請ができないので、必ず保険料を支払う必要があります。
任意加入で免除を受けて、留学に行っている間も受給資格に必要な加入期間を加算する、といったことはできないと言うことですね。
このため、転出届けを出さずに住民票を残し、免除等の手続きをする形を選択する方もいるようです。
海外転出届を出して、国民年金保険料を納めない場合は当然ながら将来受け取る年金額に影響がありますので、わたしだったらどうするか?と考えてはみたものの選択がとても難しそうです。
厚生年金の場合は海外転居でどうなる?
厚生年金は社会保険とセットですので、健康保険と同じく、日本の非居住者になろうとなるまいと、加入したまま渡航することになります。
国民年金のように、任意加入になるようなことはありません。強制加入です。
年金は、受け取れる年齢になった時に国内に住んでいなくても受給できるので、「海外に住むのに年金払うのは払い損になる」ってことはありません。
海外長期留学・移住時の「介護保険料」について
介護保険料は40歳以上64歳までの人が収める必要がある介護が必要な高齢者を社会全体で支えるために徴収される保険料です。
介護保険料については、加入している社会保障制度に関わらず「非居住者」は対象外になるので、海外転出届を出すことで、一律支払う必要がなくなります。
介護保険料は、年収によって金額が変わるものの、全国平均は3,000円〜6,000円とのこと。
健康保険料や年金に比べるとインパクトはあまりありませんが、払わなくてよくなるならそれに越したことはないですよね。
まとめ
つらつらと書き殴りましたが、まとめるとこうなります。
健康保険料
- 国民健康保険・・・加入資格なし(払わなくていい)
- 社会保険(健康保険)・・・今まで通り払う
年金
- 国民年金・・・任意加入(脱退する場合は払わなくていい)
- 社会保険(厚生年金)・・・今まで通り払う
介護保険
- 国民健康保険・・・加入資格なし(払わなくていい)
- 社会保険(健康保険)・・・加入資格なし(払わなくていい)
残念ながら、社会保険加入の会社員が雇用されたままデジタルノマドワーカーとして海外に出る場合、海外転出届を出して住民票が日本にない場合でも、社会保険料は今まで通り払い続ける必要があります。
介護保険料だけが唯一不要になりますが、大きい数字ではないのが残念です。
この記事へのコメントはありません。